工法概要
盛土直下の基盤に高強度繊維からなる引張補強材であるジオシンセティックスを挟み込んだ砕石層を築造し、液状化時の盛土の変形を抑制する工法です。
- 液状化の発生は許容するものの,盛土の水平変位や沈下等の変形量を道路機能確保又は修復限界以内に抑制します。
- 従来の改良工法に比べて,大幅なコストの縮減を図る事が可能です。(天端幅10m,盛土高7mにて縦断方向30万円/m 直工費))
SECURE-G工法
(Stabilized Embankment Construction Utilizing Reinforcement with Gravel)
一般社団法人ジオシンセティック変形抑制工法研究会
SECURE-G工法の照査フロー
SECURE-G工法 全体の安定性照査
1) 性能設計
SECURE-G工法は性能設計(変形照査設計)を取り入れており、重要度と地震動に応じた要求性能※2の対策が可能です。
2) 要求性能
「道路土工構造物技術基準/平成27年3月:国交省:「http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000495.html」の抜粋
・安全性・使用性・修復性から3段階の要求性能が明確化
・要求性能は、土工構造物の重要度に応じ、道路土工構造物に連続又は隣接する構造物等の要求性能・影響と整合させる
(重要度1:レベル2地震は性能2が必要)
性能2:道路土工構造物の損傷が限定的なものにとどまり、当該道路土工構造物の存する区間の道路の機能の一部に支障を及ぼすが、すみやかに回復できる性能
「道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)」から引用
3)許容沈下量
橋台背面アプローチ部は道路橋示方書H29Ⅳ下部構造編から参照した以下の図の通りとする。
「道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)」から引用
道路盛土の被災直後の通行機能を考慮した耐震性能基準(案)
道路政策の質の向上に資する技術開発成果レポートから参照
【レベル1】
レベル1地震動における許容変位量は「道路政策の質の向上に資する技術研究開発成果報告レポート No.17-4」の右表のランク2および道路管理者が決めた過去の実績から20cm~25cm以下とする
【レベル2】
レベル2地震時においては橋台背面アプローチ部と一般盛土部で分けて考えるものとする
① 橋台背面アプローチ部
レベル2地震動における橋台背面アプローチ部における許容変位量は「道路政策の質の向上に資する技術研究開発成果報告レポート No.17-4」の右表のランク2および「道路盛土の液状化対策工の性能設計-三宝ジャンクション建設工事-」における大型車両の通行可能な段差量 が25cmであることから25cm以下とする。
② 一般盛土部
ここで道路盛土の被災度は、盛土本体の安全性と道路の走行性から評価され以下のように区分されている。レベル2地震動における一般盛土部における許容変位量は「道路震災対策便覧(災害復旧編)」の表の被災パターンⅣの被災度C(小被害)から50cm未満とする。
限界状態及び性能目標
道路盛土の液状化対策工の性能設計-三宝ジャンクション建設工事-から参照
「道路土工 軟弱地盤対策工指針(平成24年度版)」から引用
平地盛土の被災パターンと被災度分類
道路震災対策便覧(災害復旧編)から参照
不織布
不織布の厚さは、1.5mm以上とし、掘削底面と側面に敷設します。
また、ロス率10%を見込むこととします。
砕石
以下の性能を満足するものを使用します。
表1 砕石必要性能
※ 再生砕石(RC-40)も同上で使用可。
特許実施料
SECURE-G工法は特許工法であるため以下のような特許実施料が生じます。
特許実施料=材料費(砕石、ジオシンセティックス、不織布、備品)×2%



