技術提案情報 -軟弱地盤上の低盛土へのパラリンクの適用について-

軟弱地盤上の低盛土へのパラリンクの適用について

軟弱地盤の低盛土を計画しています。低盛土の原道があって、拡幅低盛土です。低盛土なので、交通荷重を大きく見なければいけないのですが、この様な現場の経験や、拡幅盛土に対応可能でしょうか? (04/11/04)


図-1 交通荷重の影響に相当する盛土荷重(KN/m)

従来、軟弱地盤上の低盛土に於いては、浅層混合処理(厚さ1m程度)等で基礎処理を行っておりましたが、交通荷重が盛土+基礎内で十分に分散できず、供用後不同沈下等により路面の平坦性や舗装の維持に問題が生じ、特に、構造物との取り付け部では、段差を生じ維持管理上大きな問題となっておりました。その為、現在、軟弱地盤上に低盛土を構築する場合には、盛土高に応じた「交通荷重の影響に相当する盛土荷重」を考慮して設計を行う事が一般的です。
尚、図-1に示す「交通荷重の影響に相当する盛土荷重」は、低盛土道路の動態観測結果より得たものであり、"道路土工 軟弱地盤対策工指針"より転記したものです。


設計荷重

設計荷重=盛土荷重+交通荷重交通荷重:長期的な沈下量を基に繰り返し交通荷重の影響分に相当する荷重(図-1より)

対策工とパラリンクの適用

杭式盛土工法

図-2に示すように2タイプあり浅層改良版+深層杭は、有明(佐賀・長崎)等で複数の実績がありパラリンク+深層杭は、海外では多くの実績を有するが、国内では新潟・宮城・福岡で3件の実績がある

サーチャージ工法

サーチャージとは、軟弱地盤に設計盛土荷重以上の荷重(余盛)を加え沈下させ、設計荷重の沈下に対し、見掛けの沈下速度を速めるとともに、設計荷重に対する残留沈下量を減少させ、その後に余盛部を撤去する工法であり、沈下の促進と、残留沈下の減少を図るものである。サーチャージの量Qは、Q=盛土荷重+交通荷重(図-1に依る)+αであり、+αは許容残留沈下量と工期を勘案して決定する必要がある。
尚、工期に収まらない場合、或いは、余盛(サーチャージ)により、必要すべり安全率が確保出来ないときは、圧密促進工法又は敷網工法を併用する必要がある。パラリンクは敷網としての優れた特性を有し、敷網として圧密促進工法との多くの併用実績を有している。

耐圧版工法

浅層混合工法により浅層固化版(耐圧版)を構築し、盛土荷重+交通荷重に対し曲げ剛性により抵抗させるものである。従って、荷重に対し十分な厚さ・強度を持たせなければならない。固化版のクラック防止に版下部にパラリンクを敷きこむことも有効である。(有明では、円弧すべり防止対策として版下部敷設の施工実績あり)

工法の選択

低盛土拡幅工事との事ですので上記工法のうち、次の理由によりサーチャージ工法の採用が良いのではないかと考えます。

  • 杭式盛土、耐圧版工法は、既設盛土と沈下特性が大きく異なる為、段差等、既設盛土との馴染みが悪い。
  • 施工費が割高と予想される。
  • サーチャージ工法であれば、既設盛土と馴染みがよく、不同沈下・残留沈下量もサーチャージ量で調整が可能であり、敷網・圧密促進工法との併用が可能で、対応能力が高く、施工費も杭式盛土より安価である。