技術提案情報 -地山堀削量低減を主眼としたパラリンク折り返し-

地山堀削量低減を主眼としたパラリンク折り返し

パラリンク折返し形状による定着の考え方腹付盛土や斜面上の盛土における敷網工法の適用は、定着長の確保のため、敷網材料のフラットな施工のために、相当量の地山掘削を要求してしまう。下図のようなパラリンク折返しは、適切な地点で折返し、適切な長さの折返し上部長を設定する事で、パラリンク施工における掘削量低減を実現するものである。

パラリンク折返しによる設計上の留意点は、①折返し点よりも深部に目標安全率を下回る円弧すべりがない事、②折返し近傍の複数の円弧すべりに対し材料強度が十分に発揮される事、の2点である。(フローチャート参照)

  • パラリンク敷設高における法尻からの水平距離x(m)地点を通る円弧すべり安全率を計算し、無対策時安全率Fsが目標安全率F'sを上回る範囲に折返し点を設定する。(上図では、すべりCのFs>F'sでなければならない)折返しの下部と上部の間は、両面摩擦のため30cm程度の土を介在させる。
  • パラリンクを貫くすべりには2種類ある。すべりAのようにパラリンクと一つの交点を持つすべりと、すべりBのようにパラリンクを二つの交点を持つすべりであり、それぞれ定着部が有する摩擦力の計算に際して、異なる式を用いる。(引抜けのモードが異なる)

すべりA型の定着部摩擦力の計算

引抜け時には、帯が引抜けると考えられるため、パラリンク帯に作用する両面摩擦を考慮する。通常の敷網工法における定着力の計算と同じ考え方である。

すべりB型の定着部摩擦力の計算

すべりBがパラリンクを引抜く場合、折り返しの上部と下部を両方引抜こうとするので、土を拘束したパラリンクが一体となって引抜かれると考え、考慮する力は、帯に作用する摩擦と土と土との間に作用する摩擦である。(それぞれ上部と下部について計算し、合計する)ただし、ラップ継ぎ手の考え方でも説明しているように、折返し上部については、すべり土塊に根入れされている長さが或る程度ないと張力が伝達されないため、根入れ部に働く摩擦力を上限として、すべりBの背面(定着部)に抑止力を伝達するものとする。